Interview

Interview Vol.3 キャラクターデザイン 冬野ユウキさん

Q.『リゾートへようこそ』の第一印象をお願いします。

いままでにいくつか乙女ゲームのお仕事を(キャラクターデザイン以外でも)お手伝いしたことがあるのですが、そのほとんどがファンタジーな世界を舞台にしたものだったので、こういう現実的な世界を舞台にした作品が新鮮でした。
リゾート地が舞台ということもあってなのかデザインを考えている時も常に落ち着いた心持ちで筆をもてていましたね。

Q.メインキャラクター4人の魅力やこだわった点を教えてください。

真咲
強面で威圧感がある彼ですが、砕けた表情は子供っぽい雰囲気もあり、そこが魅力だと思います。
きっと本編では彼のそういった表情がたくさん見られるのではないかと。
絵としては、彼はかなり肉付きが良いので、重量感と見た目のスマートさを両立できるように気を付けました。

ヒューゴ
キャラクターとしてとても分かりやすい立ち位置の彼ですが、4人の中では最年長ということもあり、年相応に人生いろいろ経験してきているであろう彼の“深み”みたいなものを、絵から匂わせられるといいなと思いました。

ライ
彼は最初のデザインでは今よりもう少しひょろながだったのですが、収録スタッフさんからの「古川さんの声と合わせると骨格が細い」というコメントをいただき、声に合うよう後から体格を調整したのが印象に残っています。
そのおかげで古川さんの声と合わさった際の、ライという人物がよりしっかりとしたものになったかなと思います。

水鳥
彼のチャームポイントはサラサラヘアーと眼鏡ですね。
眼鏡は最初に頂いたキャラ設定の頃からあるので、もはや彼そのものかもしれません。
あとは、ぱっと見華奢に見える彼ですが骨格はしっかりしているので、脱いだらそこそこ良い体をしているんじゃないかと。

Q.メインキャラクター以外の10人をデザインする時にはどのようなことを考えましたか?

里見
里見はいただいた設定資料からすんなりとイメージが出てきたキャラクターです。
服装も凝ったことはせずスーツを着せているだけなので悩むことはなかったですね。
ただ主人公の上司であり地位がそれなりに高いので、着ているスーツも仕立てが良いものに見えるように細部に気を付けました。

アシュリー
彼は、実際に海外の高級リゾート地に居そうなセレブをイメージしました。
シャツとジーンズだけではセレブ感が表現できなかったので、大きな柄の入ったシャツに高そうな腕時計をしているという分かりやすい恰好になりましたが、彼の性格的にはこういう派手なの結構好きそうだなと。

サイード
アラブのセレブという初めて出会う設定の方でしたので、なかなか興味深く描かせていただきました。
一応アラブの民族衣装を意識してはいますが、見栄えがするようにいろいろなものを付け足しています。
ただとにかく服が白いので、他のキャラクターと並べた際に軽くなり過ぎないように気を付けました。

レオン
初期デザインではベストは着ておらず、胸元全開だったのですが、マフィアのボス感があふれ出ているという指摘をいただいたので、泣く泣くボタン留めてベストを着せることに。
結果的に落ち着いた中にもワイルドさが漂ういい男になったと思います。
あとは、個人的に全キャラの中で上位3人に入るレベルで好みの顔になりました。

ジェイル
彼も設定資料からすんなりとイメージが出てきたキャラクターです。
全キャラ中一番細身で、ほとんど骨なんじゃないかというレベルでガリガリな彼ですが、体格のわりに太い首と肩のあたりが、個人的に思う彼のセクシーポイントですね。あとまつ毛長いです。
レオンと並んで、好きな顔トップ3です。

セオドア
髭キャラが描きたかったので彼以外に適任者は居ないと思いつつも、サイードが顎髭を蓄えてらっしゃるので、被らないよう控えめに無精ひげをはやしてラフを出したところ、すんなりOKがでたので喜んで仕上げたキャラです。
見た目的にも一番老けている(年齢は里見のほうが上ですが)ので描いていてとても楽しかったです。

峰沢
彼は一番特徴が掴めなかったキャラクターです。さすがはミステリー作家ですね。
ただ顔立ちは比較的すんなりと手が動いたので、そこからイメージを固めていった感じです。
水鳥の「可愛らしくも男らしさがある雰囲気」とは別の中性的な雰囲気が上手く出せたかなと思います。

ハル
彼もなかなか掴み所のないキャラでしたが服装はとても分かりやすかったので、服のイメージと声を聴きながら雰囲気を固めていきました。
(自称)アクセサリ職人なので、ただ派手なだけじゃなく多少はお洒落に見えるように色味などバランスに気を付けました。

サミュエル
元F1レーサーという設定でしたので、首を少し太めにするなど体格の微調整に気を付けましたね。
いただいた設定資料に「変わった服OK」と書いてあったので、よくわからない柄と、変なズボンを履かせようと思っていました。顔立ちがとても気に入っています。

三浦
個人的な印象としては「気のいいお兄ちゃん」です。
そこに声の印象などから、若干天然ボケっぽい雰囲気とおおざっぱな感じを足しましたが、絵から伝わるかどうかは怪しいところですね。
チャームポイントはおでこと膝小僧です。

Q.主人公はどんな女性にしようと思ってデザインしましたか?

あまり深く考えず、個人的に可愛いと思う女性を描いた感じです。
ただし、男性目線のフェチズムを反映しすぎて女性から見た際に嫌味なデザインにならないようには気を付けました。
余談ですが、乙女ゲームの主人公ちゃんたちを攻略できるゲームがいつか出てほしいと思っているのでよろしくお願いします。

Q.女性向けの恋愛ゲームのキャラクターのデザインという点で気を付けたことはありますか?

今回のデザインは、女性向けとしてはなかなか重い部類に入る絵柄だと思いますし、そういうオーダーを頂いていたので、絵としてのキャラクターの重さは生かしつつも、クドくなり過ぎないように、色や陰影のバランスなどには気を付けました。

Q.最後にプレイヤーのみなさまにメッセージをお願いします。

プレイしてくださる皆さまをおもてなしする登場人物、いわばフロントに立つ彼らの身だしなみを整えるという、とても重要な部分をお手伝いさせていただき大変光栄です。
メイン4人のほかサブキャラクターの面々もそれぞれにクセのある彼らですが、末永く仲良くしてもらえると嬉しいです。

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